2014年01月22日2

【厚労大臣が謝罪】

2013年11月18日 内部告発メールが厚労省に到着
2013年11月19日 厚労省内部告発メールを東大に実名入りで転送
2014年01月18日 朝日新聞が転送の事実を報道
2014年01月20日 厚労省が告発者に謝罪

 朝日新聞が報道しなかったらどういう展開になっていたかは火を見るより明らかですね。

2014年01月20日

来週、ダットスキャン®静注が発売されます。黒質線条体ドパミントランスポーターの分布を反映した画像が得られる薬剤であり、パーキンソン症候群レビー小体型認知症(DLB)の診断に役立つことが期待されます。

 ただし国内第III相試験(NMA78P3-2)においてAD・健康成人を「not DLB」、幻視とパーキンソン症状を伴うprobable DLBを「DLB」として臨床診断と画像読影結果の一致度を調査したところ感度70.0%(95%CI 41.6-98.4)、特異度90.9%(95%CI 73.9-100.0)であり、感度については事前に規定した閾値(50%)に対する有意差を示されなかったことから、PMDAは「本剤は、DLBの診断に関して事前の想定どおりの有効性を有していない可能性がある」と判断しています。ゆえに「これまでの診断方法よりも決定的に優れている診断技術であるというわけではなく、確定診断の精度を高める新たな追加情報であるということを過不足なく臨床現場に情報提供する必要がある」と警告しています。

 DLBの国際臨床診断基準(CDLBガイドライン)ではダットスキャンは他の画像診断群よりも一つ格上の診断項目に位置付けられています。しかしPMDAは「CDLBガイドライン(Neurology. 65: 1863-72, 2005)における記載内容のみを以て本剤の臨床的位置付けを説明することは困難」と述べています。もし仮にメーカーさんがCDLBガイドラインのことだけを資料に出して製品紹介してきた場合は自社有利情報だけ出して不利情報を隠している可能性があるのでご用心下さい。

 価格はシリンジ1本 56,162円(検査1回分)。

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2014年01月18日2

http://www.alzforum.org/…/japanese-adni-called-defend-its-d…

 上記記事に寄せられた筑波大学の朝田教授の公式コメントを私訳しました。誤訳があればご指摘願えれば幸いです。

<私訳>
 今回の事件について疑惑を晴らす機会を与えて下さったことに感謝します。

 最初に申し上げたいのは私がデータ改ざんしたという疑惑は完全な誤りということです。私は1月10日に記者会見をしました。その場で私が述べたのは、大規模なデータセットというものは記録するとき、加工するとき、そして管理するときのエラーに影響されやすいということでした。

 我々の研究はこの分野のこの規模では初めてのものでありますが、この規模の個体数ではよくある困難に遭遇しました。すなわち調査票への誤答、使用薬剤が認知機能に影響しているので本研究に組み入れ不適切な症例そしてインフォームド・コンセントが受け取られていない症例です。総数545例中、上記理由によりデータが精査されるべき症例が80例ありました。様々な程度の認知障害をお持ちの方々を含む個体群を扱う際に、この種のエラーはこの文脈では想定外ではなく有り得るものでした。

 加えて、データベースにデータを入力する際の記録エラーがあります。原因もデータベースそのものにあり、これまた本研究の新規性に因り得るものです。全体的には、データの意図的な改ざんは真実ではなく、本研究の規模と性質の文脈でみられた偶発的なエラーが見られたべきでした。

 最後に、私が朝日新聞で述べたとされる事の真意についてコメントさせて下さい。簡潔にするための、私の発言の全ての引用は間違いです。私は朝日新聞記事にあるような意見表明はしていません。この他の面では尊敬できる新聞によるこのストーリーの理由を私は推測しませんしコメントしたくないです。このストーリーは虚偽です。さらに悪い事に、この極めて重要な分野におけるプロフェッショナルの激しい仕事と参加者を汚すものです。この種の滑稽なジャーナリズムは残念ながらこの国の科学の評判だけでなくジャーナリズムの整合性を傷つけるものです。

 私は本コメントが読者の皆様とAlzforum関係者の皆様を安心させることを心から願っています。インフォームド・コンセントを受け取ることやデータを取り扱い加工することも含む、研究のあらゆる側面において高水準の倫理的実践を我々の研究チームは保持しています。